5冠牝馬アパパネ電撃引退…繁殖入りへ
史上3頭目の牝馬3冠を達成したアパパネ(牝5歳、美浦・国枝)が右前浅屈腱炎を発症し、繁殖入りすることが13日、発表された。
放牧先から札幌競馬場を経て、2日に美浦に帰厩。復帰初戦に予定していた府中牝馬S(10月13日・東京)へ向けて、9日の初時計に続き、12日に美浦坂路で4F55秒8をマークしていた。
「症状としてはごく軽度のものだけど、これだけの実績がある馬で、次の仕事がありますからね」。引退を決断した理由を語った国枝師は「もうひとつ獲らせてあげたかっただけに残念で仕方ありません」と無念の表情。「3冠達成もそうだけど(11年ヴィクトリアマイルで)ブエナビスタを負かしたこともいい思い出。ノーザンファームで繁殖入りする方向で話し合っているが是非、アパパネの子どもも管理したい」と話した。
09年阪神JFでG1初制覇を決め、翌年のオークスでは史上初となるG1での1着同着で栄冠を手にした。秋華賞でメジロラモーヌ(86年)、スティルインラブ(03年)に続く牝馬3冠馬に。金子真人氏は05年ディープインパクトとともに、牡馬、牝馬での3冠馬オーナーとなった。
5個目のG1タイトルを獲得した11年ヴィクトリアマイルが最後の勝利、6月の安田記念(16着)が最後のレースに。エリザベス女王杯(11月11日・京都)での史上初のJRA牝馬G1完全制覇を目指していた名牝は、突然のアクシデントでターフを去ることになった。