【シリウスS】ミーチュー 初G獲った
「シリウスS・G3」(29日、阪神)
新星誕生だ。2番人気のナイスミーチューが、29戦目で念願の重賞初制覇。道中は好位のインで脚をためて、馬なりのまま4角へ。鞍上がこん身の左ステッキを連発すると、直線で先に抜け出したヤマニンキングリーをきっちりと差し切った。2分3秒3の勝ち時計も優秀。10F戦になった07年以降では最速だった。
小牧は「持ったままで4コーナーを回れた。スタートを決めて、いい位置で競馬もできた。思った通り外へ出せたし、手応えからして変わると思った」と納得の表情。橋口師は15年連続のJRA重賞V。藤沢和師と並ぶ現役トップタイの84個目の重賞タイトルに「今年は勝っていなかったし、それも頭にあった。4コーナーで勝ったと思ったよ」と破顔一笑だ。
もともと期待は大きかったが、2勝目を挙げてから芝で14連敗し、ダートへの再挑戦を決断。これがピタリと当たった。以降、6戦4勝の快進撃で「どこに転機があるか分からんな」と師も目を丸くする。今後はみやこS(11月4日・京都)などを視野に調整。「力をつけているし、いいところを狙える器」と小牧。さらなる大きな舞台を見据える5歳馬が、勢いに乗って“新砂王”への道を突き進む。