【スプリンターズS】マジン成長見せる
「スプリンターズS・G1」(30日、中山)
力負けを喫した高松宮記念(5着)から半年、パワーアップした姿を見せつける。雲間から差し込む光に照らされて、マジンプロスパーが29日の午前11時42分、決戦の地を踏みしめた。「輸送は何の問題もなかった。こっちの方に来るのは初めてだけど、中京に行ったときも馬運車の中ではおとなしかったからね」と担当の柴田厩務員は穏やかな笑みを浮かべる。
前哨戦のセントウルSでは果敢にハナを切ったものの11着。2番手のカレンチャンに終始つつかれる形になって、結果的にタフな競馬を強いられてしまった。ただ、反動がなかった点は幸いだ。「休み明けを1回使って間違いなく上昇しているよ」。万全の態勢での初東上。待ちに待った秋の大舞台を戦い抜く。
最大の難関は最内(1)枠(1)番か。「自分が動きたいところで動けないともろい。そのパターンになると厳しい」。一瞬の不利、一瞬の判断ミスが勝ちを遠のかせる電撃戦。ここはアメリカでの武者修行を経て、たくましさを増した福永の手腕に託すほかないだろう。
「G1でも頑張ってほしいね」。4歳春の中央復帰後、2度続けて負けたことはない。今年は阪急杯、CBC賞、2個のG3タイトルを獲得する充実ぶり。着実に階段を上がってきた。しぶとさをフルに発揮して、至高の勲章をつかみ取る。