【凱旋門賞】オルフェ欧州仕様ボディー
「凱旋門賞・仏G1」(7日、ロンシャン)
世界制覇をかけた1週間に突入した。オルフェーヴル(牡4歳、栗東・池江)が、欧州仕様のボディーに進化を遂げている。1日は軽めのメニューをこなし、調整は順調そのもの。日本調教馬の凱旋門賞での最高成績は99年エルコンドルパサー、10年ナカヤマフェスタの2着。欧州の最高峰の制圧は日本競馬の夢でもある。5冠馬の挑戦を「歴史を変えろ オルフェ」で追いかける。
日本競馬界の悲願達成へ“チーム池江”が勝負の1週間に突入した。1日の調教メニューはラモルレー調教場の坂路コースを2本。1本目はハッキングで1000メートル、2本目はキャンターで1200メートル。栗東坂路に置き換えれば4F63秒程度の楽なペースでコンディションを整えた。池江師は「フォワ賞よりも上積みありですね。トモの今までに筋肉がついていなかったところが盛り上がってきている」と順調な調整に手応えを口にする。
一方で、前哨戦のフォワ賞を快勝しても冷静な姿勢を崩すことはない。「もっと楽に勝てると思っていた。2着馬(ミアンドル)は次走を見据えて仕上げていなかったし、その馬を引き離せなかったのはショック。厳しいなと思いましたね」と気を引き締める。
“池江少年”にとっても、凱旋門賞制覇は大きな夢だった。「小学生のころ(1969年に挑戦した)スピードシンボリの写真を見せてもらって、世界一を決めるレースだと親父(泰郎氏)に聞いた。その年の年賀状にはスピードシンボリの絵を描きました」。何十年も目標にし続けてきた欧州最高峰の一戦に、ついに自らの管理馬で初めて参戦する。
「凱旋門賞を意識したのはオルフェがダービーを勝ってから。3冠を勝って、さらに意識した。ここに挑戦できるような馬と出合えるとは思っていなかった。今も世界一権威のあるレースだと思うし、ここが一番と思ってやってきた」。自然とホースマンとしての血が騒ぐのも無理はない。
父が管理したディープインパクトが挑戦した06年、管理馬ピカレスクコートを帯同させた。「ディープやピカレスクがそうだったように(仏入り後)3週目くらいからヨーロッパ仕様(の肉体)になってきた。深い芝を走っていると、そうなるんでしょうね」。進化を続ける5冠馬とともに、夢の結実へ着実に歩み続ける。