【デイリー杯】イナズマVしびれる走り
「デイリー杯2歳S・G2」(6日、京都)
500キロの巨漢が開幕週の京都ではじけた。3角で果敢にハナを奪った池添騎乗の6番人気テイエムイナズマが、そのまま押し切って重賞初V。父ブラックタイドに初の重賞タイトルをプレゼントした。3番人気クラウンレガーロが2着、マイネルエテルネルが3着で、1番人気のメイケイペガスターは11着に沈んだ。なお、レースの売り上げは前年比130・9%と大きくアップした。
曇り空の下で行われたクラシックへの登竜門。池添の強気なリードに導かれて、3角で早々と先頭に立ったテイエムイナズマが、後続の追撃を力強く振り切ってみせた。
荒々しい気性に、福島師が「やんちゃ坊主」と手を焼く若駒。初の重賞挑戦も“粗削り”の表現がピッタリだった。出遅れ気味のスタートから序盤は馬群の最後尾を追走し、向正面で一気にスパートをかけた。初めて見る光景に、巨漢馬は2度ほどターフビジョンに驚いたが、スピードが鈍ることはない。トップでゴール板を突破後には、鞍上を振り落とすほどパワーを持て余していた。
痛みをこらえて、引き揚げてきた池添は「気の強い馬。スタートは遅かったが、途中からハミを取ったので無理にケンカをせずに行かせた。長くいい脚を使うイメージを持っていたので、そこはうまく生かせたと思う。今後の課題はコントロールかな」と顔をしかめながらも満足げに語る。師は人馬の無事を確認して「オルフェーヴルのまねをしたのかな。この馬もそうなってくれればいいけど」と入線後にアクシデントの多い5冠馬にあやかって破顔一笑だ。
次戦は未定だが、指揮官は勝ってかぶとの緒を締める。「きょうみたいにうまくいくとは限らない。ハミ受けなど気性面が成長しないと」と一転して険しい表情で先を見据えた。京都で走った稲妻はG1戦線でも強烈な輝きを放ちそうだ。