【凱旋門賞】オルフェ世界最強証明だ!
「凱旋門賞・仏G1」(7日、ロンシャン)
いざ、世界の頂点へ。オルフェーヴル(牡4歳、栗東・池江)が、万全の仕上がりで決戦を迎える。レース前日の6日、シャンティイのラモルレー調教場での最終調整を終え、池江師も「今年一番」と状態には太鼓判を押した。世界のホースマンが注目する一戦。日本の競馬界、ファンの熱い思いを背に受け、5冠馬が全力でぶつかる。
ついに決戦のときが来た。世界最高峰のレースに挑むオルフェーヴル。最高の仕上がりをアピールする姿に、池江師は満足そうな表情を浮かべた。最終調整はいつもと同じくラモルレー調教場の坂路を2本。軽快な脚さばきで駆け上がった。
「状態は今年一番と言っていい。精神的にもスイッチが入って早く走りたくて仕方がないとウズウズしている」と指揮官は“戦闘モード”に突入した姿を頼もしそうに見つめる。受け入れ先厩舎の小林智師も「ライオンが目覚めたみたい。やる気がみなぎっていますね」と目を見張った。
全てはこの大一番で勝利を手にするために逆算して調整してきた。シャンティイ入り後は常に帯同馬のアヴェンティーノと行動。落ち着いてレースに臨める環境づくりを行った。臨戦過程も本番に直行ではなく、前哨戦を使う形を選択。これまでの日本馬の経験を生かして戦略を練った。当日は渋滞を避けるために、前走よりも競馬場への出発時間を早める予定だ。
大外18番枠に周囲からは不利と言われているが、池江師は全く意に介さない。「内枠はペースメーカーが失速してくる危険があるから外でよかった」と歓迎する。むしろ、気になるのは前日の雨。レース当日の1R終了後に、向正面で内から8メートル、カーブで7メートル、直線で18メートルあった仮柵が外される。「雨はきょう(前日)の最終レースまで降らないでほしい。(仮柵の外は)オルフェの通る可能性があるから」と内外での馬場の差が激しくなることを気にする。
前日のロンシャンの馬場は「トレ・スプール」。8段階ある表記の5番目の重でスタートした。ただ、指揮官は「当日は降ってほしい」と話す。オルフェーヴルにとって重馬場は苦手ではなく得意な部類。内外の馬場の差が少なくなることで戦いやすくなる。
発走予定は日本時間の午後11時25分。「日本では深夜になりますが、勇姿を見てください。応援よろしくお願いします」とファンの期待に応えるつもりだ。いよいよオルフェーヴルが世界一への扉をこじ開ける。