【毎日王冠】ブラックヒル強さオグリ級
「毎日王冠・G2」(7日、東京)
3歳マイル王が古馬をねじ伏せた。1番人気カレンブラックヒルが、3番手から押し切る横綱相撲で無傷の5連勝を決めた。JRA競走無敗の3歳馬のVは、84年のグレード制導入以降では88年オグリキャップ以来2頭目。次戦の天皇賞・秋(28日・東京)には主役として臨む。2着も12番人気のジャスタウェイが入り、3歳馬のワンツー。2番人気エイシンフラッシュは9着と惨敗した。
G1馬が6頭参戦したG2は、無敗の3歳マイル王の強さを際立たせる一戦と化した。前半5F通過が57秒8の激流を3番手で追走し、直線で先頭へ。絶対能力の高さを証明するかのように、カレンブラックヒルが力で古馬をねじ伏せた。
「3角での反応がいつもより鈍かったけど、最後はもう1回頑張ってくれた」と秋山はパートナーをたたえる。ひと夏を越えて成長した若駒は、自分のリズムで淡々とラップを刻んだ。「体は変わっていないけど、落ち着きが出ておとなしくなった」。折り合いを欠くそぶりもなく、初の9F戦をあっさり克服した。
平田師は「終わってみれば完勝。距離は大丈夫と思っていたが、実際に見るまではね」と胸をなで下ろす。「春は皐月賞も考えていたくらい。2000メートルまでは大丈夫。父親と一緒なのかな」。06年の覇者でマイル~10F戦のG1を5勝した父ダイワメジャー。その姿をだぶらせながら中距離戦への適性を口にする。
次戦は天皇賞・秋。父子制覇、そして02年シンボリクリスエス(東京施行では96年バブルガムフェロー)以来の3歳でのVに挑む。「相手はさらに強くなるけど、もう1F距離が延びる点は平気。課題や不安はない」と主戦は言う。ブラックヒルとは“雄大な猟犬種”。無敗のまま、秋の盾を狩る。