【南部杯】エスポ圧勝!完全復活だ
「南部杯・交流G1」(8日、盛岡)
圧勝劇で完全復活をアピールだ。単勝1・1倍の支持を受けたエスポワールシチーが2着に4馬身差をつけて09年以来2度目のV。G1・7勝目を獲得した。2着には6番人気ダイショウジェット、3着は3番人気アドマイヤロイヤルでJRA所属馬が1~5着を独占。2番人気ナムラタイタンは落馬で競走中止となった。
強いエスポワールシチーが戻ってきた。単勝オッズは1・1倍。盛岡ファンの熱烈な支持に応えるべく、4角先頭から押し切る完勝劇でVをもぎ取った。
「前回勝ったとき(09年)の声援は覚えていた。それに復興競馬はまだ続いている。勝てて良かったですね。馬の状態は絶好調だった。それにエルムS(2着)で若い馬とたたき合って、闘志が戻っていた。これなら負けないと思っていました」と佐藤哲は顔をほころばせる。昨年は震災の影響で東京開催となった南部杯。2年ぶりに開催の地元の歓声に笑顔で応え、G17勝目を喜んだ。
思えば2年前の盛岡から歯車は狂い出した。断然人気を裏切る2着。その秋に米国遠征したエスポワールシチーは、心身とも疲弊して本来の圧倒的なパフォーマンスが影を潜めた。ジョッキー自身も骨折して昨年の南部杯には騎乗できず。苦しい時期を乗り越えてきた。「7歳馬だけど、ダート馬はもう1回(年齢を重ねてから)チャンスが来る」。再び訪れるであろう上昇気流を辛抱強く待ち、ようやく納得の状態が戻りつつある。
次に狙うは頂点への返り咲き。「1回挟むかどうかは分からないけど、JCダート(12月2日・阪神)が目標」と安達師は09年以来、2度目の国際G1制覇を見据える。覇権奪回を目指す古豪が、因縁の地から再スタートを切った。