【秋華賞】ハナズ一頓挫明けも不安なし
「秋華賞・G1」(14日、京都)
栗東坂路でラスト1F13秒7。ハナズゴールの11日の最終追い切りは減速する形で終了した。数字的なイメージは正直言って良くない。それでも実際のところは、中間3~1Fのラップが13秒0~12秒5と速くなったため、鞍上が意識的に手綱を押さえたもの。単走で真っすぐに駆け抜けた動き自体は決して悪くはない。
4F53秒7の全体時計に、加藤和師は「53~54秒程度を予定していたからね」と、帳尻が合ったことを強調する。腸炎による熱発でローズSを取り消す誤算はあった。それでも「思った以上に体はふっくら。(桜花賞の直前回避を含め)いろいろとやらかす馬だが、いつも、最悪の事態にはならない。回復力には感心するね」と苦笑いを浮かべつつもうなずいた。
栗東入厩後にカイ食いが落ちて体が減り、直前追いも坂路で4F62秒3‐14秒1と手控えた3月のチューリップ賞を、直線一気の末脚で完勝。今回のメンバーで唯一、ジェンティルドンナに先着した実績を持つ。はまれば…の期待感は十分だ。「1頭強い馬はいるけど“絶対”がないから競馬は面白い。そういうドラマをつくってみたい」。ここ一番の爆発力に、トレーナーは望みを託す。