【秋華賞】ジェンティル3冠へスキなし

 「秋華賞・G1」(14日、京都)

 3冠を懸けたラストステージ。2冠牝馬ジェンティルドンナが11日、栗東坂路で力強くはじけた。史上4頭目の偉業達成へ向けて、主戦の岩田も手応え十分。ライバルにすきを与えない万全の仕上げに、石坂師も自信の表情を浮かべた。なお、枠順は金曜に確定し、馬券は土曜から発売される。

 輝きを放つ馬体を躍動させた。ジェンティルドンナは栗東坂路で単走追い。3冠達成を懸けて、ラスト1冠に挑む女王が豪快リハで好調を伝えた。最初の1Fは14秒7とゆっくりと入ったが、徐々にペースアップ。ラスト3Fはラップをきれいに0秒9ずつ上げていく絶妙な配分だ。仕掛けられたラスト1Fはまさに“静”から“動”。鋭い反応でフィニッシュラインを越え、4F53秒7‐39秒0‐12秒1をマークした。

 手綱越しから伝わる感触がよほど良かったのだろう。またがった岩田は興奮気味だ。「余裕のある走りをしていた。無理せずに出た時計だし、前回よりも今回の方が動けると思う」。さらなる上昇ぶりに手応えをつかむ。

 オークスは騎乗停止中で川田が代打で騎乗。前走のローズSは桜花賞以来のコンビ復活だった。「先行して押し切る形になったけど、多少行きたがったぐらいで抑えられた。いい勝ち方をしてくれたから」。本番で迎えるのは京都内回りの2000メートル。トライアルとまるで違う舞台に、あの名馬ブエナビスタですら3冠達成を阻まれている。どんな流れにも対処できるように‐。そんな思いから、鞍上は前哨戦で秋華賞を意識したレースを試みた。「こういうレースもできるんやぞって」。これまでの後方から末脚を生かす形ではなく、先行策からのVで新味を引き出した。

 成長ぶりにも目を細める。「ひと回りもふた回りも大きくなっていた。肉体面だけじゃなくて、自信をつけた感じ」。たくましさを増した相棒への信頼感を示すかのように主戦は胸を張る。

 史上4頭目の牝馬3冠制覇へ向けて準備は整った。「(ポジションは)出たなりになると思うし、馬に合わせたレースをしようと思う。自分も気持ちを引き締めて集中して臨みたい。そうそういる馬じゃない。(3冠を)達成できると信じている」。いよいよ歴代の名牝たちに肩を並べるときがやってきた。信頼で結ばれた人馬が偉業達成を誓う。

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