【菊花賞】ビッグバン追加登録料200万

 「菊花賞・G1」(21日、京都)

 過去10年で6頭の勝ち馬が春のクラシックを未出走だったように、夏の上がり馬の活躍が目立つ一戦。大舞台に強い血統で長距離適性が光る。タガノビッグバンは芝の長丁場で開花し、クラシックの追加登録料200万円を払っての参戦。春は無名の存在だったが、軽視はできない。

 西の上がり馬はタガノビッグバンだ。デビューからダートで3連敗、しかもいずれもが大敗だったが、ここに来て3連勝。クラシックの追加登録料200万円を支払い、最後の1冠に駒を進めてきた。

 芝に転戦してから眠っていた素質が目覚めた。7月7日に中京未勝利戦を逃げ切り待望の初勝利を収めると、続く9月2日の小倉の500万特別、今月1日の阪神の1000万特別もクリア。平田厩務員は「何がどう変わったということもないし、コメントをしにくいなあ。ただ、3連勝したのは事実だけどね」と自然体を貫く。

 それでも確実に成長を見せている。前走は3馬身差の圧勝劇。ハンデの恩恵があったとはいえ、2番手からメンバー2位となる上がり35秒3の末脚で、歴戦の古馬勢を完封した。「ダートを使っていたころは幼かったし、全体的に本物じゃなかった。それでもレースを使うたびに学習している感じはあったし、走る馬の素質はあると思っていた」。軌道に乗った姿に目を細めていた。

 この日は角馬場から栗東坂路で調整した。飯村助手は「順調です。一戦ごとに走るフォームが良くなっているし、だいぶ背中を使えるようになってきました」と好調をアピールする。

 「天真らんまんな馬。気ままなところがあって、いい意味でマイペース。おとぼけなんですよ」と平田厩務員は笑うが、長距離を走る上では、その性格は心強い武器になる。「ここだけじゃないし、まだ先がある馬だからね」と大一番に気負いはない。“マイペース”の姿勢が波乱を呼びそうだ。

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