【菊花賞】ゴールドシップ順風満帆だ
「菊花賞・G1」(21日、京都)
ムードは最高潮だ。牡馬クラシック最終章の追い切りが17日、東西トレセンで行われ、皐月賞馬ゴールドシップが栗東坂路で芦毛の馬体を躍動させた。トライアルの神戸新聞杯では力の違いを見せつけて、ライバルを撃破。勢いに乗って、00年エアシャカール以来史上8頭目となる皐月賞&菊花賞の2冠制覇をもくろむ。なお、18日に出走馬および枠順が確定。馬券は19日に一部ウインズで前々日発売される。
ラスト1冠奪取に向けて、一点の曇りもない仕上がりをアピールした。皐月賞馬ゴールドシップは、同じ芦毛のクリーンエコロジー(4歳1000万下)と栗東坂路で併せ馬。スタートの1Fはゆったりと入ったが、ラスト2Fから手応え良く加速する。最後は余力たっぷりにパートナーと並入し、4F54秒7‐39秒0‐12秒2を計時した。
またがった北村助手は「しまい重視だったが、いい内容でした。反応が良くなっているし、以前よりも秘めたものをしっかりと表に出せている感じ。走る方に気が向いていますね」と納得する。見届けた須貝師も「指示通りの動き。しまいまでしっかりといいフォームで走っていた」と文句なしの合格点を与えた。
圧巻のレースぶりだった。前哨戦の神戸新聞杯は早めの追い出しからロングスパートを決め、後続に2馬身半差をつける完勝劇。休み明けで仕上がり途上ながらも、地力の違いでライバルたちをねじ伏せた。中間は3日間開催を含む変則日程で調教の内容に苦心したという。それだけに「勝てて正直、ホッとしたね。(通常通りの)今回はメニューをしっかりと消化できたし、いい状態で臨めると思う」と師は改めて自信を深めた様子だ。
3000メートルという、過酷な距離設定も臨むところ。「心肺機能が高く、掛かることもないから大丈夫。この馬はレースの最中、4回フォームが変わる。ゲート、中間、3コーナー、それから直線でね。一本調子ではなく、ギアチェンジが利くので三千はいいと思う。あとは馬が楽しく走ってくれればいい」とリラックスムードでマラソンレースに臨む構えでいる。
オルフェーヴルと同じ父ステイゴールド×母の父メジロマックイーンの“黄金配合”。日高の小牧場から生まれたG1ホースに期待は高まるばかりだ。「小さな牧場から出てきた馬。馬産地の励みになってほしいし、頑張らないといけないという責任感もある」と口元を引き締めた。史上8頭目となる皐月賞&菊花賞の2冠馬誕生へ。さまざまな思いを乗せて、黄金の船は高々と帆を掲げる。