【富士S】クラレント重賞V2
「富士S・G3」(20日、東京)
絶好調の剛腕ジョッキーに導かれ、クラレントが鮮やかに復活した。好位の外で岩田が巧みになだめて流れに乗ると残り1Fでは早々と先頭へ。独特の騎乗フォームから繰り出す左ムチの連打で後続の追撃を着差以上に余裕を持ってしのぎ、昨年のデイリー杯2歳S以来ちょうど1年ぶりとなる勝利の美酒に酔った。
「NHKマイルCで3着の実績もあり、走るのは分かっていた。能力を十二分に発揮できれば、こういうパフォーマンスができるということ」とコンビ初結成での満点回答に、岩田は自然と“どや顔”で胸を張る。「馬の走りたい気持ちに逆らわずに流れに乗れたからね」。これで今年はG1・5勝を含めて、JRA重賞9勝目。目下の勢いは手がつけられない。
古馬を撃破した自信を携えて、次戦はもちろんマイルCS(11月18日・京都)へ向かう。「良馬場が前提だけど、マイルなら強いな」と橋口師は同世代の僚馬オリービン(スワンS=27日・京都=を経由)とのG1・2頭出しを宣言。鞍上は未定ながら、岩田が「勝てるだけの力の持ち主」と太鼓判を押す3歳馬が一躍、マイル界の覇権争いの惑星に浮上した。