【天皇賞】ブラックヒル最高潮だ!

 「天皇賞(秋)・G1」(28日、東京)

 東西のトレセンで24日、最終追い切りが行われ、5戦全勝の3歳馬カレンブラックヒルが、栗東CWで機敏なフットワークを披露。僚馬をあっさりとぶっちぎり、さらなる上昇ぶりをアピールした。史上初となる無敗での天皇賞制覇だけでなく、最少キャリアタイでの古馬G1V、4例目となる06年ダイワメジャーとの父子秋盾制覇がかかる大一番。ムードは最高潮に達した。なお、出走馬および枠順はきょう確定し、馬券は26日に一部ウインズで発売される。

 不敗神話は崩れない。デビュー以来、5戦5勝を誇る3歳馬カレンブラックヒルが、栗東CWで“超抜”の動きを披露。無敗での秋盾奪取へ、万全の態勢を整えた。

 併せた相手ははるか格下の馬。それでも、目下の充実度を示すには十分の内容と言えるだろう。3馬身前に置いたハーデス(2歳未勝利)を見据え、リズミカルなフットワークを繰り出し急追。並ぶ直前で鞍上が軽く手綱をしごくと、反応良く伸びて0秒6差の先着を果たした。6F82秒4‐38秒7‐12秒4。騎乗した主戦の秋山は「いつもと変わりなく良かった。精神的にも落ち着いていたと思う」と、淡々とした口ぶりながらも納得の表情を浮かべた。

 秋初戦で圧巻のパフォーマンスを見せつけた。国内最強クラスの古馬がそろった毎日王冠は、快調に飛ばすシルポート、グランプリボスの3番手から、直線手前で果敢にスパート。ジリジリと伸びて2頭を捕らえると、後続の猛追をしぶとく伸び返して完封した。初の1800メートルを難なく克服した頼もしい姿に、平田師は「春先とは違った競馬をしてくれた。まだ底を見せていないし、どこまで引き出しがあるのか」と目を丸くする。

 今回はさらに1F延びる。主戦が「距離は心配していない」と胸を張れば、指揮官も「マイラーとは思っていない。能力でこなせる範囲」と自信を口にする。「ま、実際に2000メートルを走ったわけではないので、期待と不安と両方かな」と付け加えたが、土つかずの天皇賞制覇はJRA史上初となる。さらにデビュー6戦目での古馬G1Vは最少キャリアタイ。父子制覇もかかる一戦に燃えないわけがない。

 ジェンティルドンナが史上4頭目の牝馬3冠に輝き、ゴールドシップが12年ぶりとなる皐月賞&菊花賞の2冠を達成。ほかにも古馬を相手に重賞タイトルを手にしたエピセアローム、レオアクティブ、クラレントなど、現3歳世代の勢いはとどまるところを知らない。「チャレンジャーの気持ちで臨みたいですね。どこまでやれるか楽しみ」とトレーナーは武者震い。非凡な先行力で競馬史を塗り替えてみせる。

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