【天皇賞】ナイト最内から突き抜ける
「天皇賞(秋)・G1」(28日、東京)
白い帽子のステイゴールド産駒が不気味に映る。オールカマーを制し、上げ潮ムードで臨むナカヤマナイト。勢いそのままに好枠をゲットした。(1)枠(1)番は最近10年で2勝、2着1回の好成績。前回の天覧競馬だった05年にはヘヴンリーロマンスが、最内枠から鮮やかに差し切りを決めている。
普段は辛口な傾向で知られる柴田善も思わずニンマリだ。金曜朝はメンバー表を見ながらVへのイメージを膨らませた。「いいね。レースも流れてくれそう。あとはスムーズな競馬をできれば。馬は肉体的にも精神的にも以前より良くなっている。前走も初めて折り合いがうまくいったからね」。本格化の手応えがジョッキーの口調を滑らかにさせる。
金曜朝は角馬場→美浦坂路で4F65秒6‐15秒1。「気合が乗ってるね。前走以上に気持ちが入っている。いい傾向にとらえたい」と三浦助手は戦闘態勢に入った愛馬に頼もしさを覚える。「以前はレース後や追い切り後に電気針を打って疲れを取っていた。でも今はケアをしなくてもいい」。体質が強化され、G1の舞台でも色気を持てるレベルに到達した。
前走は重馬場でVを飾っており、馬場は不問。週末の微妙な天候にも「気にならない」と三浦助手はまゆひとつ動かさない。「相手は強いけどこの状態なら」。充実期を迎えた4歳馬が勢力図を塗り替える。