【ア共和国杯】ルルーシュ横綱相撲でV
「アルゼンチン共和国杯・G2」(4日、東京)
4歳の秋、厩舎期待の素質馬が本格化だ。2番人気のルルーシュが、4角先頭からの横綱相撲でV。3番人気ムスカテールの追撃を振り切り、2分29秒9のレースレコードで待望の重賞タイトルを手にした。充実一途のゼンノロブロイ産駒が、いよいよ次戦でG1の舞台に挑む。なお、1番人気のギュスターヴクライは、レース中に右前浅屈腱不全断裂を発症して6着。現役続行は絶望的となった。
鞍上の強気な手綱に導かれ、ルルーシュが初重賞をもぎ取った。3番手をスムーズに追走し、直線入り口では早くも先頭へ。残り1Fで後続との差は5馬身。積極策でつくった貯金をVへとつなげた。
「意識してあの位置を取った。リズムが大事な馬。きょうは引っ張ることなく、最高のリズムで走れたよ」と横山典は振り返る。検量室に戻って来た際には、馬上から派手に飛び降りるフライングディスマウントで喜びを表現。人馬一体のレース内容に納得顔だ。
これでJRAでの重賞を通算85勝として、橋口師と並ぶ現役最多となった藤沢和師も、期待馬の快勝劇にご満悦。「体は減っていた(16キロ減)けど、これでいい。体もしっかりしてきた」。体質の弱さから出世は遅れたが、ここへきて本格化ムードが漂う。さらに自身は、この日の東京で9~11Rの特別戦を3連勝。「出来過ぎだな」と喜びは絶えなかった。
次走はジャパンC(25日・東京)か有馬記念(12月23日・中山)へ。辛口の鞍上は「いい時を知っているからまだ…ね。もう少し体調がアップすれば」と、さらなる飛躍へ注文を付けた。厩舎の先輩でもある父ゼンノロブロイは、4歳秋に本格化して、04年の年度代表馬に輝いた。偉大なその背中を追い、いざ大舞台へと向かう。