【JBCC】アキュートぶっちぎり
「JBCクラシック・交流G1」(5日、川崎)
ついにG1を射止めた。11RのJBCクラシック(2100メートル)は大舞台で惜敗続きだった5番人気のワンダーアキュートが、今までのうっぷんを晴らすかのように5馬身差の圧勝。佐藤正師は99年の開業以来、うれしい初G1制覇を成し遂げた。10RのJBCスプリント(1400メートル)はタイセイレジェンドが優勝し、大井出身の内田博はJBC3大レース初V。9R・JBCレディスクラシック(1600メートル)はミラクルレジェンドが外から差し切って連覇を果たした。
執念でタイトルをもぎ取った。好スタートを切ったワンダーアキュートは逃げ争いを見る形で3、4番手を追走。向正面から後続馬の追い上げが激しくなっても、内でじっと脚をためていた。和田が勝負どころと見た4コーナー手前からムチを連打。直線でうまく外に持ち出すと、昨年末の東京大賞典でスマートファルコンに鼻差まで迫った豪脚がうなりを挙げた。
最後は無人の野を駆けるがごとく、5馬身差の圧勝。01年にテイエムオペラオーで天皇賞・春を制して以来のG1勝利に、和田は右手でムチを高々と上げて喜びを爆発させた。「11年ぶりですね。忘れてた味です。今、震えています。この馬でG1と思っていた。夢がかなった」。オペラオーで何度も栄光を手にした男は、久々の美酒に酔いしれた。
佐藤正師は悲願の初G1制覇。「痛いほど、惜敗していた。三度目の正直だね」。2着だった昨年のJCダート、東京大賞典の雪辱を晴らし、声を詰まらせた。東海S後に骨りゅうが出て、5カ月半ぶりの実戦。遠征では体重の変動が激しいタイプだが、今回はマイナス21キロと今まで経験したことがないほど大きく減った。それでも「体はいい感じだったし、初めてパドックで汗をかかなかった」と激走の予兆を感じ取っていた。
次は「もちろんJCダート(12月2日・阪神)です」と力強く明言。6連勝中の怪物・ローマンレジェンドが待つ舞台へ、G1ウイナーとして胸を張って向かう。