【エ女王杯】イマージン狂いなき調整

 「エリザベス女王杯・G1」(11日、京都)

 悲願のビッグタイトル獲得へ向けて、仕上げに抜かりはない。4度目のG1挑戦となるフミノイマージンが7日、栗東DPで軽快な動きを披露した。本田師、太宰にとってもG1初制覇がかかる一戦。万全の態勢で大一番に挑む。なお、出走馬は8日に決定、枠順は9日の金曜日に確定する。

 もはや速い時計は必要ない。逆算してローテを組み、盤石の態勢を築き上げてきたフミノイマージン。最終追いの場に栗東DPを選択した。外々を気持ち良さそうに駆け抜けて5F68秒2‐37秒7‐11秒5。馬任せの内容とはいえ、最後の瞬発力はさすがの一言だ。

 「先週の時点でできている。今週は単走でサッと流す感じと決めていた。いい動きだったよ。まあ、あれくらいの動きはいつでも可能な馬だけどね」と予定通りのメニューを消化し、本田師は満足げな笑みを浮かべる。1週前に栗東CWで意欲的な3頭併せを敢行。もうスパイスを加える必要すらないほどに、馬体は研ぎ澄まされている。

 京都大賞典(4着)を前哨戦に選択したのは、この一戦へ向けて最高の調整を施すため。近10年で同レースから参戦した馬は〈1・2・0・0〉という黄金ローテだ。「府中牝馬Sよりも1週早い。その分、余裕を持って臨めるからね。ここを最大目標に仕上げた。力を発揮してくれるでしょう」と状態面への自信がにじみ出る。

 G1はこれまで3走して(11)(8)(15)着。ただ決して力負けではない。「前が詰まったり不利が多かった」と振り返る。騎手時代には牝馬2冠のテイエムオーシャン、カワカミプリンセスにまたがってきた。「あの2頭は“化け物”。比べるのはかわいそうだけど、それに近いレベル」。06年にはそのカワカミプリンセスで1位入線→12着降着。苦い思い出がある、因縁のレースで調教師としての初G1制覇を‐。言葉には出さずとも思いは強い。

 太宰も静かに闘志を燃やす。15年目で迎えたビッグチャンス。昨年8着に敗れた悔しさは忘れていない。「あの時はイン有利の馬場なのに外を回してしまった。あれは僕のミス」とリベンジを誓う。「チャンスだと思っている。僕がスムーズな競馬をすれば結果は出る。出さないといけない」。万全の仕上がりを施され、人馬の悲願達成へと突き進む。

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