【マイルCS】ボス再び成長
「マイルCS・G1」(18日、京都)
G1・2勝馬に“意外”と言っては失礼だが、この秋のグランプリボスは、いい意味で陣営の期待を裏切ってきた。特筆すべきは前哨戦のスワンSだ。(1)休み明けから2度叩かないと結果が出ない(2)京都は相性が悪い(3)外枠が当たると結果が悪い…という、過去の“負”のデータを、圧勝劇でまとめて払しょく。期待以上の走りに「だいぶ不安点がなくなった」と久保助手の声も弾む。
秋初戦の毎日王冠がプラス16キロ。続くスワンSはさらに10キロも馬体重が増えた。春から26キロの増加に「ここに来てもう一段、成長するとは思わなかった。ふた回りぐらい大きくなった」と目を細める。精神面の成長も大きい。久保助手は昨年6月の海外遠征(セントジェームズパレスS8着)が実を結んでいると話す。「結果を出せなかったのは残念だけど、僕も馬もいい経験になった。丘と言うよりも、山のようにそびえ立つニューマーケットで鍛えに鍛え抜いたからね」。4歳秋を迎えてフィジカルとメンタルがマッチ。古馬のマイル王へ、機は熟した。
久保助手にとっても、マイルCSは特別な思いがある。担当したスーパーホーネットで、08年に1番人気で2着。「自信を持って臨んだ4年前は悔しい思いをした。絶対に負けないと思っていたからね。なおさら獲りたいレース」と意気込む。輝きを取り戻したボスとともに、頂点を極める。