【JC】オルフェMAX仕上げで迎撃だ
「ジャパンC・G1」(25日、東京)
ゴール寸前の大逆転から1カ月半、凱旋門賞・仏G1で激闘を展開した2頭が東京で再戦する。池添とのコンビ再結成で臨むオルフェーヴルは、反撃に向けて態勢を整えてきた。誰もが認める日本のエース、5冠馬のプライドにかけてもホームで負けるわけにはいかない。欧州最高峰の決戦からリベンジへ。「ロンシャンから府中へ」で迫る。
早くも凱旋門賞の1、2着馬が再戦する。ソレミアの王座防衛なるか、それともオルフェーヴルがリベンジを果たすのか。世界中の注目を集める一戦が、日本を舞台に繰り広げられる。
ただ、周囲の盛り上がりをよそに、オルフェーヴル陣営からはライバルを意識する声は聞こえてこない。「ワクワクするとか、そういうのはないです。僕は凱旋門に乗っていないので、リベンジとかも関係ない」。15日の1週前追い切りにまたがったあと、池添は穏やかな口調でこう話した。凱旋門賞に騎乗できなかった悔しさ。そして“自分が乗っていれば”という気持ちもあるだろう。いろんな思いを胸の奥底へと閉じ込め、主戦は課せられたVへの使命に向き合う。
帰国後は、滋賀県のノーザンファームしがらきを経由し、7日に栗東トレセンへ帰厩。9日に追い切りを確認した池江師から、ジャパンC参戦にゴーサインが出た。決戦1週前の追い切りでは、栗東坂路で4F52秒9‐38秒7‐12秒6をマーク。僚馬に追走先着を果たしたが、池江師は「動きはまずまず。ただ、良化度はスロー。凱旋門賞が本当に良かったので。あれを知っているだけにね…。まだ筋肉の張りが物足りない」と冷静に現状を分析する。
池添のジャッジはどうか。「宝塚記念のときは状態も上がっている最中。それに比べればいい手応えだった。息遣いも良かったし、1週前としては言うことがない。順調に行ってくれたらいい」。準備が着々と進み、鞍上は上昇の手応えをつかんでいる。
1週前追い切りのカンフル剤が効いたのだろう。一歩ずつ競馬モードへと近づく。「ひと追いでだいぶ良くなりました。完成して、精神的にも大人になった気がする」。良化の手応えを口にした担当の森澤助手は「ソレミアとの対戦も意識していません」と、仕上げに専念することを強調した。
最高の状態に仕上げるだけ‐。主戦が首をかしげ、トレーナーが「7割の出来」と、不安を口にした宝塚記念を完勝した怪物だ。“決戦の日は分かっている”。そう言わんばかりにMAXへと達することだろう。あと一歩及ばなかった凱旋門賞から1カ月半がたった。ロンシャンの悔しさは日本で晴らす。