【JC】ソレミア馬なり…世界一の余裕
「ジャパンC・G1」(25日、東京)
今年の外国馬の目玉となるソレミアが21日、ペリエを背に東京の芝を単走で追い切られた。終始馬なりの内容だったが、初の環境にも特に戸惑った様子はなくまずまずの動きを披露。凱旋門賞馬としては初の、また仏国馬としては25年ぶりのJC制覇を狙う。なお、22日に出走馬と枠順が確定し、馬券は23日に一部ウインズで前々日発売される。
ロンシャンとは全く異質の高速馬場の感触を確かめるように、凱旋門賞馬が東京の芝を単走で駆け抜けた。主戦のペリエを背に、ソレミアはマイル標識を少し過ぎた地点から加速を開始。13秒台のラップを重ねつつ、直線は3分どころに進路を取る。最後まで馬なりで特筆するほどの動きではなかったが、千葉県白井市の競馬学校からの輸送翌日でも長めから時計を出せたのは、初の海外遠征でもあり強調できる。
無駄肉のない鹿毛の馬体が記録したタイムは、7F92秒2‐38秒4‐13秒2。ペリエは「けさは1頭だけだったのでスタンドに物見をしていた。それでも手応え自体は十分。状態はいいと思う」とうなずく。「ほかの馬がいればやる気を出すタイプ」と“本気”の走りはレース本番までに取っておくとばかりに、満足そうな表情を浮かべた。
ラフォンパリアス師が管理馬を来日させるのは今回が初めて。ただ、かつてディープインパクト(06年凱旋門賞3位入線→失格)とサクラローレル(97年フォワ賞8着)が仏国遠征した際に自厩舎へ受け入れた親日派であり、日本競馬への造詣は深い。前走後はブリーダーズCターフ・米G1への参戦という選択肢もあったなか、極東への遠征を決めたのはレース間隔を重視したこと。そして「東京は直線の長いフェアなコース。“ワナ”のある(紛れの生じやすい)競馬場ではない」と底力の勝負を歓迎する。
単勝42倍の人気薄で臨んだ凱旋門賞でG1初V。日本の競馬ファンの誰もがオルフェーヴルの歴史的勝利を確信しかけた次の瞬間、猛然と盛り返してゴール前で差し切りを決めた。この一戦を含む重賞2勝はともに道悪で挙げたものだが、日本の現役最強馬を撃破し、3着以下が7馬身もちぎられた現実を軽視するわけにもいくまい。
「凱旋門賞は最高の状態で臨んだ一戦。今回は“ホーム”ではなく、最大目標としていたわけでもない」。敵地でのオルフェーヴルとの再戦へ、指揮官は慎重な姿勢をのぞかせつつも「きのう(20日)あたりから環境にもかなり慣れた」と上昇気配を感じ取る。凱旋門賞馬のJC初制覇へ、そして87年ルグロリュー以来となる仏国馬Vへ、このレース2勝(01年ジャングルポケット、04年ゼンノロブロイ)の名手ペリエに全権委任の構えだ。