【ステイヤーズS】10歳トリック重賞V
「ステイヤーズS・G2」(1日・中山)
ベテランらしく、巧みなレース運びが光った。ディープインパクトと同世代のトウカイトリックが、6度目の挑戦で平地では国内最長距離のマラソン重賞を制し、10年阪神大賞典以来の重賞3勝目。10歳でのJRA平地重賞Vはアサカディフィート(08年小倉大賞典)と並ぶ最高齢記録だ。
大外15番枠からの発進だったが、1コーナーではすでに最内を確保し、中団でじっと待機する。外からスパートした2、3着馬に対し、内から馬群をさばいて進出。経験値を見せつけるような自在な立ち回りで直線を迎えると、前を行く2頭の間を割って抜け出した。
衰えを知らない姿に、北村宏も脱帽する。「自分のペースを崩さないところが最大の長所。本当に頑張ってくれた」とたたえた。野中師も「エライ!のひと言に尽きる。これだけ活躍を続けられるのは馬の資質。本当に頑張った」と感心しきりだ。有馬記念(23日・中山)はパスして、8年連続参戦となる天皇賞・春(4月28日・京都)を目指す予定。師走に存在感を見せつけたベテランの目は、11歳を迎える来季へと向けられている。