【阪神JF】エミューズ新婚津村が志願
「阪神ジュベナイルF・G1」(9日、阪神)
滞在20日目ですっかり栗東の雰囲気に慣れたサンブルエミューズが5日、CWで軽快な動きを披露した。同じく阪神JFに登録しているトーセンレディを2馬身追走。津村の手綱は押さえられたままだったが、馬自らが前をとらえにいって並入した。
6F69秒6‐40秒3‐13秒1のタイムを確認した鞍上は「ちょうどいい。持ったままでも、はじけそうな感じでした」と極上の切れ味を感じ取る。見届けた加藤征師は「環境への対応は体力のあるトーセンの方が上だと思ったけど、3週間で逆転した。落ち着いているし、いい動きだった」と満足そうにうなずいた。
前走で騎乗した岩田が香港へ遠征。候補として浮上したスミヨンも調整がつかず、鞍上の手配が難航した。ここで新婚ほやほやの津村が一念発起して師に直訴。「勝てるのか?」という問いかけに、「大丈夫です。殴られてもいいから乗せてほしい」と気合満点の回答でコンビ結成が決まった。
師からは「勝ったときのVTRを1日5回は見ろ」と宿題を出された。「逃げても強い勝ち方をしているけど、最大の武器は切れ味。決めつけずに乗りますよ」と、津村は馬との呼吸を合わせることに専念する。
過去12度のG1はいずれも2桁人気で馬券に絡んだこともない。「プレッシャーを楽しみたい。10月に入籍して人間的に強くなったと思う。これからは2人分、頑張らないといけないですから」。デビュー9年目で迎えた最大のチャンス。伴侶を得てひと回り成長した津村が、男を上げるときがきた。