【阪神JF】コレクター非凡な才能

 「阪神ジュベナイルF・G1」(9日、阪神)

 須貝厩舎が3頭出しで頂点を狙う。2歳女王決定戦には、新設重賞のアルテミスSを制したコレクターアイテム、ファンタジーS2着のローブティサージュ、新馬戦でモノが違う勝ちっぷりを見せた1戦1勝の素質馬のオツウと、師が「うちのキャンディーズ」と評する個性派3頭がスタンバイ。今年、ゴールドシップで2冠を達成し、史上最速で通算100勝を達成した厩舎の勢いも追い風に、ハイレベルな“3人娘”でG1制覇を狙う。

 2歳牝馬の頂点を決める重要なステージに向けて、実績最上位のコレクターアイテムが好仕上がりだ。5日、最終リハは栗東坂路で浜中を背に、同じく阪神JFに出走予定のローブティサージュと併せ馬。テンからリズム良く僚馬を追走すると、馬体を並べて必死に食らいつく。ラストは軽く仕掛けられると、4F55秒9‐41秒1‐13秒8を計時。重めの馬場を力強いフォームで駆け上がった。

 「いい感じですね。いつも通りですよ。指示は相手に合わせる形でということだった。攻め馬はバリバリ動くタイプじゃないし、いい意味で変わりなくきています」と鞍上は及第点を与える。ラスト1Fの時計では僚馬を上回るなど力強い伸びを披露しており、須貝師も「良かったよ。きょうは調整程度のつもりだったから」と表情は明るい。

 前走が圧巻の内容だった。差し馬には不利になる可能性もある1枠1番からのスタートだったが、道中は後方のインでじっくり脚をため、直線に向くと鞍上の追い出しに鋭く反応。馬群にひるむこともなく、内から上がり3F33秒9の末脚で伸びて、レコードで重賞初Vを達成。2歳の“普通の女の子”とは違う非凡な能力を見せつけた。

 「前走で外から来られても伸びたように根性がある。体もボテッとしていたし、まだ良くなる余地がある。前走は1枠でも慌てなかったし、マイナスポイントが少ない。センスがいいですね」と浜中も賛辞を惜しまない。舞台はデビュー戦以来となる阪神のマイル戦に変わるが、トレーナーは「デイリー杯(2歳S)や府中を経験しているし、外回りや坂は問題ない」と不安を一蹴する。

 トレーナーが「うちのキャンディーズ」と目を細める須貝厩舎“3本の矢”のなかでも「キャリアは上」と認めるように、混戦になれば牡馬相手の重賞、タフな舞台で戦ってきた経験が生きる。「ジョッキーも自信を持って乗ってくれているからね」と手応えは十分。G1タイトルをつかんで“世代最強の女の子”を証明する。

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