【阪神JF】丸山、アユサンでG1獲る

 「阪神ジュベナイルF・G1」(9日、阪神)

 アユサンで挑む丸山元気騎手(22)=美浦・根本=がG1初制覇に燃えている。外国人や実績豊富な一流騎手ではなく、オーナーの星野壽市氏は4年目の若武者に夢を託した。ここが“男”の見せどころ。自身6回目となるG1の晴れ舞台で最高の騎乗を披露する。なお6日に出走馬18頭が確定し、有力候補に目されていたオツウは抽選で除外となった。枠順は7日に確定し、馬券は8日に前日発売が行われる。

 このチャンスを逃したくない。表情はクールでも、丸山のハートは熱く燃えたぎっている。「これまでのG1は人気薄。でも今回は人気ですからね。いい緊張感があります」。自身6回目の大舞台でコンビを組むのは、アルテミスS2着のアユサン。「デビュー前から“走る”と思っていた」とほれ込む素質馬と、2歳女王決定戦へ向かう。

 人馬を語るうえで欠かせないのは“縁”。星野壽市オーナーは、高崎競馬の元騎手だった父・侯彦氏と旧知の仲。「そのこともあって、デビューして間もないころから乗せてもらっています」と感謝の言葉を口にする。同オーナー所有馬の初勝利はハイタッチクイーン(10年6月)。その後も関係は深まり、期待馬アユサンも託された。

 デビュー4年目の若武者はいま、騎乗馬確保の難しさを痛感している。2年目が92勝、3年目は72勝。これに対して今年は32勝(6日現在)だ。中央場所への本格参戦、外国人騎手全盛の時代。さらには以前担当していたエージェント(騎乗仲介者)の死去。さまざまな出来事が積み重なり勝ち星は大幅に減少した。「2、3年目はうまくいき過ぎた部分があった。馬を集めるのは本当に難しい」。だからこそ、オーナーからの騎乗依頼が胸を強く打つ。

 「最終追い切りの反応は良かった。勝負根性が最後の末脚にもつながっている。差しの決まるコース。関係者の期待に応えたい」と目を光らせた。厳しい1年を味わった男が、師走の仁川で思いの丈をぶつける。

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