【有馬記念】2冠馬ゴールドが主役だ
「有馬記念・G1」(23日、中山)
JRAは6日、有馬記念のファン投票最終結果を発表した。昨年の覇者で1位のオルフェーヴル(牡4歳、栗東・池江)は、海外遠征などの蓄積疲労で態勢が整わずに出走回避が決定。6位の支持を集めた2冠馬ゴールドシップ(牡3歳、栗東・須貝)が一躍主役の座へと躍り出た。3歳世代の代表が、年末のグランプリで古馬撃破を狙う。
若き2冠馬がついに古馬の壁へと挑む。今年の皐月賞と菊花賞を制した2冠馬のゴールドシップは、ファン投票で5万4555票を集めて6位。須貝師は「古馬とは初対戦になるが、3歳馬の代表として恥ずかしくない競馬をしてほしいですね」と力を込めた。
菊花賞では向正面からのロングスパートで快勝。改めて世代最強の力を証明した。前走後はジャパンCに向かうか有馬記念参戦か、冷静に馬の状態を見極めて年末のグランプリを目標に定めた。滋賀県の吉沢ステーブルWESTでの短期放牧を挟み、11月21日に帰厩。以降は栗東坂路を中心に丹念に乗り込んできた。5日の2週前追い切りはその坂路で力強い動きを披露。4F54秒6‐39秒8‐13秒4で、併せたブレイクラッシュ(2歳500万下)に豪快に2馬身の先着を決めている。
「ここまでは順調に、予定通りきている。子どもっぽさが抜けて“アスリート”になってきたよ。そうじゃないと古馬とは対戦できないからね」と、指揮官も成長ぶりに目を見張る。皐月賞以来となる中山での競馬にも「コース形態に左右される馬じゃないから」と問題にしていない。
須貝師は騎手時代を含めて有馬記念に参戦するのは初めて。「年度代表馬がかかっている場合もあるし、1年を締めくくる大切なレースで注目度も高い。ファン投票で選ばれるというのは、そのファンの期待を背負っているということ。そういう意味で責務を感じている」と気を引き締める。
グレード制が導入された84年以降では3歳馬は11勝と最多。10、11年と現在2連覇中だ。5冠馬のオルフェーヴルが参戦を見送ったことで、ファンの期待と重圧はさらに高まる。「3歳牡馬の2冠馬の意地を見せられるようにしたい。有馬記念までにきっちり態勢を整えていきたい」とトレーナーは万全の状態での出走を約束した。がぜん注目度が増す“黄金の船”が、年末の大一番でもゴールドメダルをつかみ獲る。