渡辺騎手が引退 99年菊花賞制覇
G1ジョッキーがターフに別れを告げる。渡辺薫彦騎手(37)=栗東・沖=が、20日付で引退することが10日、明らかになった。94年3月にデビューし、9日終了時点でJRA通算339勝(うちG1・1勝を含む重賞10勝)を挙げている。ラストウイークは阪神で騎乗する予定で、引退後は所属する沖厩舎で調教助手となる。
思い出に残るのは99年の菊花賞だと語る。全30戦のうち、25戦で手綱を取ったナリタトップロードでG1初制覇。引退レースとなった02年有馬記念(4着)ではファン投票で1位に選出されるなど一時代を築いた。「初めて重賞(99年きさらぎ賞)を勝たせてもらいました。皐月賞(3着)やダービー(2着)も、もう少しうまく乗れていたらという気持ちがあった。それだけに、菊花賞はどうしても獲りたかった。先生(沖師)やオーナー(故・山路秀則氏)の期待に応えられたのはうれしかった」と振り返る。
ステッキを置き、今後は調教師を目指す。「今でも競馬場でファンに声をかけてもらえたり、未練がないと言えばうそになるが、次のステップに移りたい。数年前から調教師にあこがれるようになって、勉強はしていました。沖先生を目標として、馬を大事にしていきたい」と目を輝かせた。