【有馬記念】ダーク攻め強化で上昇
「有馬記念・G1」(23日、中山)
G1初制覇を目指すダークシャドウが13日、美浦Wで抜群の動きを見せた。ウッドチップが深く、速い時計は出にくくなっている状況下で5F64秒2。今週の同コースでは最速タイとなる好時計を記録した。中間は馬体を絞ることに重点を置き、ハードな攻めを消化。体調は右肩上がりだ。
絶好の攻め内容で、存在感をアピールしてみせた。ジャパンC4着のダークシャドウは美浦Wで3頭併せ。前にファイナルフォーム(3歳オープン)を置き、後ろにサトノプライマシー(3歳1000万下)を従える形で発進した。直線で2頭の間に入り、最後は強めに追って最先着。5F64秒2の全体時計は、今週の水、木曜を通じての1位タイ。この数字が目下の調子の良さを物語る。
3Fも37秒1‐12秒7でしっかりまとめて、騎乗したムーアは「スピードに乗って、追い出してからもいい反応を見せてくれたね。動きには満足だよ」と笑みをこぼす。橋本助手も「ジャパンCで思ったよりも体が絞れなかったので、この中間は攻めを強化している」と調教の意図を説明しつつ、「追い出してからの反応は良かった」と動きに納得の表情を見せた。
鍵を握るのは小回りコースだ。全5勝を広い東京で挙げており、中山で走ったのは10年セントライト記念(5着)の1回だけ。それでも橋本助手は、舞台攻略へ「前走は1角でごちゃついて後ろのポジションになってしまったが、昔と違い脚質に幅が出ている。その点からこなしてくれると思っている」と前向きだ。
G1では昨秋の天皇賞2着が最高着順。だがジャパンCで1、2着のジェンティルドンナ、オルフェーヴルが回避した今年の顔触れなら胸を張れる存在だ。師走の中山で最高の輝きを放ち、初のビッグタイトル獲得を狙う。