【有馬記念】ルーラー切れた!11秒6

 「有馬記念・G1」(23日、中山)

 今年の中央競馬を締めくくる大一番の追い切りが19日、東西トレセンで行われた。G1初挑戦での即Vへ、ルルーシュは横山典が騎乗し美浦Wで迫力満点のフットワーク。まさしく絶好調と言える内容で、前走のアルゼンチン共和国杯で好時計Vを飾った勢いも含めて遅れてきた大物の存在が不気味になってきた。一方、国内G1初Vを狙うルーラーシップは栗東CWで“キレキレ”の動きを披露。課題のゲート練習も行い、スキのない仕上げを施された。

 美しき銀世界には良血馬の気品ある馬体がよく似合う。降雪のなかで行われた最終追い切り。冷たい空気をルーラーシップが力強く切り裂いた。

 栗東CWでウィリアムズを背に3頭併せ。2馬身前にメイショウブシドウ(3歳1000万下)、1馬身半後ろにタニノタキシード(2歳未勝利)。悠々と真ん中を疾走して直線へ。加速力はやはり桁違いだ。タニノをちぎり捨て、粘るメイショウに半馬身先着。5F69秒2‐38秒1‐11秒6とラストは切れに切れた。「先週も悪くはなかったんだけど。きょうは完璧。すごく良くなっている」と鞍上もうなずく。

 調教はここで終わらない。ゲートに向かい、14日にも試した尾つりロープ(鞍と尾をひもでつなぐ矯正馬具)を使用した練習を敢行。「駐立は問題がない。馬具も特に違和感はないよ。やれることはやった。あとは競馬でどうか」。最善を尽くし、表情には自然と満足感がにじみ出た。

 「ライバル?ゲートですね」と周囲を笑わせたのは角居師。天皇賞・秋、ジャパンCは出遅れて3着。一流トレーナーは“3度目の正直”へ向けて策を練ってきた。「練習では何も悪さをしない。だから矯正馬具の効果は本番にならないと分からない」。確約はできなくとも、それなりの手応えは得たのだろう。「今週はもう練習をしない」と終結を宣言する。

 課題さえ克服すれば、国内G1初制覇は難題ではない。世界的な名手が「乗り味は素晴らしい」と絶賛する逸材。ジャパンCで先着を許したジェンティルドンナ、オルフェーヴルが不在ならチャンスは大きい。「ゴールドシップやダークシャドウも強いけど、ルーラーも最有力。一番強い馬が勝つ」とウィリアムズは相棒の能力に絶大な信頼を寄せる。

 「できれば枠番は(ゲートで後入れの)偶数がほしい」は陣営の一致した意見。人事を尽くして天命を待つ。競馬の神様がほほ笑むことを祈るのみだ。

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