【有馬記念】ルメール大逆転劇を狙う

 「有馬記念・G1」(23日、中山)

 フランスの仕事人が不気味に目を光らせている。年末のグランプリで波乱を演出してきたクリストフ・ルメール騎手(33)=仏国。20日、ジャパンCの1、2着馬のいないメンバー構成に色気を見せた。金鯱賞で重賞初Vを成し遂げたオーシャンブルーを、一気にG1ホースへとリードする。

 「出走表は見ることができるから大丈夫だよ」と競馬雑誌に視線を落とす。02年から短期免許で来日し、もはや日本のG1でも欠かせない顔となったルメール。オーシャンブルーとともに挑む自身7回目の有馬記念を「オルフェーヴルとジェンティルドンナが出ない。強い2頭がいないのであれば、全頭にチャンスがある」と分析した。

 年末のグランプリではサプライズを演出してきた。05年にはハーツクライ(4番人気)で3冠馬ディープインパクトを撃破。これまでの後方待機から一転しての先行策は今なお語り継がれている。昨年はエイシンフラッシュ(7番人気)で2着。「中山の2500メートルは道中を落ち着いて、ロスなく運ぶことが大事。そして勝負どころで鋭く反応する馬がいいんだ」。確かな実績を伴うからこそ、その言葉は重い。

 金鯱賞で初コンビを組んだステイゴールド産駒には、可能性を見いだしている。「前走はいい走りだった。能力はあるよ。それに反応の良さを持っているんだ。先行馬の後ろで脚をためて、残り2Fから仕掛けて行きたい。状態がいいのは追い切りで確認できたから」とVのイメージを語ったあと、「いいチャレンジになる。“リトルサプライズ”を起こせるんじゃないかな」とニヤリだ。

 有馬記念は最も好きなレースのひとつだと言う。「あの盛り上がりはすごい。今までよりも相手は強いけど、楽しみにしているよ」。今秋のG1で存在感を示すことができなかったルメールは、国内G1制覇も09年ジャパンC(ウオッカ)を最後に遠ざかっている。久々の美酒を、年末の大一番で‐。仏国の仕事人は静かに大逆転劇を狙う。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

レース最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(レース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス