【京都金杯】シャーク快勝で重賞初制覇

 「京都金杯・G3」(5日、京都)

 戦国マイル界に新たなスター候補の誕生だ。1番人気のダノンシャークが9度目の挑戦で重賞初制覇を飾った。2着に終わった昨年の雪辱を果たし、待望の賞金加算にも成功。春の大目標である安田記念(6月2日・東京)に大きく弾みをつけた。2着は6番人気トライアンフマーチ、3着には逃げた7番人気のヤマニンウイスカーが入った。

 これまでの善戦止まりがうそのような快勝劇だった。1番人気のダノンシャークは発馬でやや後手を踏んだが、最内枠を生かして馬場のいいラチ沿いを突き、スルスルとポジションを上げる。好位の6番手で直線を向くと、あとは独壇場。ルメールの左ステッキに応えて力強く抜け出し、2馬身半の差をつけ、9度目の挑戦で待望の重賞タイトルを手にした。

 殊勲の鞍上は「年始、最初の重賞を勝てることはジョッキーにとってもうれしいこと。4コーナーを回ってきたときはすごい手応えで、自分のバランスを取るのに時間がかかったほど。最後は素晴らしい脚を見せてくれた」と興奮を隠せない。テン乗りのパートナーを巧みに操り「彼とはフィーリングが合った。きょうはうまく乗れましたね」と自画自賛だ。

 これまで重賞で2着が3度あり、昨年のこのレースでも悔しい銀メダル。大久保龍師は「やっと胸のつかえが取れました。能力があるのは分かっていたが、なかなか勝たせてあげられなかった。ホッとしている」と安どした。爪の不安もあり、出世が遅れたが「これまでは加減して調整していたが、今は思い切りできる。やっと本来の力が出せるようになった」と笑顔を見せる。

安田記念目指す 今後は昨年除外で悔しい思いをしたG1の舞台を見据える。「安田記念が一番の大きな目標。今後はそこから逆算して考えたい。昨年取り損なったものを獲りたいですね」。明け5歳にしてようやく開花した素質馬が、悲願のG1獲りへ乗り出す。

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