「フェアリーＳ・Ｇ３」（１２日、中山）

　無傷でのタイトル奪取へ、スズノネイロが９日、美浦坂路で追い切られた。しまい重点ながら、ここを目標に調整過程は文句なし。デビュー３連勝へ態勢は整った。

　初のタイトル奪取へ、スズノネイロは静かに最終追い切りを完了した。美浦坂路２本目、馬場の真ん中をゆったりと駆け上がる。終始手綱は持ったまま。それでもスピード感満点に、４Ｆ５５秒７‐３９秒７‐１２秒３のタイムでフィニッシュした。

　「予定通り。先週、大体のところはやってあるからね。無理はしていないし、いいんじゃないかな」と高橋裕師は満足そうにうなずいた。３日の併せ馬では、４Ｆ５２秒９‐３７秒９‐１１秒６の好時計を一杯に追われてマーク。しまい重点だったこの日と合わせて、きっちりと臨戦態勢は整った。

　上がり３Ｆ３３秒３の末脚を繰り出したデビュー戦。昇級戦の前走でも４角１０番手から、父デュランダルをほうふつとさせる切れ味で突き抜けた。ともに文句なしの内容で２連勝。「最大の良さは瞬発力。乗り手に従順だし、どんなレースでもできる」と目を細めた。

　今回は重賞初挑戦。さらに距離延長＆初めての右回りと課題も多いが、指揮官は全く意に介していない。「ハナに行く馬じゃないからね。とにかくセンスがいいし、何の不安もない」と信頼し切っている。舞台は内枠が有利な中山のマイル戦だが「外枠でも当たって、のんびり行ければいいんじゃないかな」とジョークまで飛び出すほどだ。

　無傷の３連勝で初のタイトル奪取へ。桜の季節へ向けて、今回も高らかに勝利の音色を響かせたい。