【日経新春杯】飯田ウズシオで獲る
「日経新春杯・G2」(13日、京都)
3月からの調教師への転身を前に、大きなチャンスが巡ってきた。飯田祐史騎手(38)=栗東・飯田明=が、メイショウウズシオで自身約10年半ぶりとなる重賞制覇を目指す。全23戦で手綱を握り続けてきた“戦友”と挑む一戦。ケレン味のない走りでタイトルをもぎ取りたいところだ。
久々の美酒へ虎視たんたんだ。メイショウウズシオに騎乗する飯田が、02年の小倉記念=アラタマインディ以来、約10年半ぶりの重賞制覇を狙っている。「前走(ステイヤーズS8着)はさすがに距離が長かった。ハンデは(前々走から)据え置きの55キロだし、今回も持ち前のしぶとさを発揮したいですね」と好戦を思い描いた。
昨年12月、新規調教師試験に合格した飯田は2月末で騎手を引退する。父・明弘師との父子Vもかかる舞台。限られた期間のなかで、巡ってきたチャンスを無駄にしたくはない。「ケガなどのリスクを考えれば、もう騎手としてフェードアウトをしていいという意見もあると思う。でも、こういうレースで“乗ってくれ”と言ってもらえるのはとてもありがたい」と感謝の言葉を口にしつつ、静かに闘志を燃やす。
これまで全23戦、コンビを組み続けてきた相棒と臨む一戦。「デビュー前から携わっていて、5歳、6歳でようやく重賞を狙えるようになった。今のご時世、1頭の馬にずっと乗せてもらえるのはなかなかないでしょう。これは自分が調教師になってからも、いい経験として生かせると思う」。積み重ねた人馬の時間は、かけがえのない財産だ。「引退して終わりじゃない。次につながっている」。さらなる大海を見据え、突き進んで行く。