【フェアリーS】クラウンロゼあっ逃V
「フェアリーS・G3」(12日、中山)
アッと驚く逃走劇だった。10番人気のクラウンロゼが粘りに粘って勝負根性を全開。デビュー2連勝を飾り、春本番へと夢を大きく膨らませた。
二の脚を利かせて主導権を奪取。「(逃げは)想定外だった」と三浦は振り返るが、終始マイペースで進んで直線へ向かう。ぴたりとマークするサンブルエミューズにいったんはかわされながらも、坂を上がって内からグイッとひと伸び。キャリア1戦の身でG1出走経験馬を差し返すと、外から伸びるウキヨノカゼの追撃も頭差で封じた。
「初戦から完成度が高い馬だと思っていた。難しいところもあるけど、能力を出せるように乗りました」と三浦はしてやったりの表情。戦前、天間師は鞍上と「新馬を勝ったばかりで力関係も分からない。脚を測る競馬よりも、イチかバチか勝ちに行く競馬をしよう」と打ち合わせたという。「いい根性をしている。ビックリした」と師は目を丸くしてうなずいた。
「状態も見ながら決めたい」と次走は未定ながらも当然、桜花賞(4月7日・阪神)を最大目標に見据えることになる。父がロサード、母の父がヒシアケボノと血統は極めて地味でも、まだまだ未知の魅力にあふれている。