【AJCC】ルルーシュ2馬身遅れ…

 「AJCC・G2」(20日、中山)

 見栄えは悪くても、出来は良好だ。有馬記念8着からの巻き返しを誓うルルーシュは17日、美浦Wで最終追い切り。先行する僚馬2頭に届かなかったが、力強い脚取りで駆け抜けた。初コンビを組むマクドノーも好感触。アイルランドの名手が重賞2勝目をプレゼントする。なお、有力候補と見られていたナカヤマナイトは右前肢の不安により出走を回避した。

 調教スタンドがどよめいた。マクドノーを背に美浦Wへ向かったルルーシュ。レッドフォルツァ(4歳500万下)、ジャングルクルーズ(4歳500万下)に続く最後方から発進し、4角では内に進路を取る。そして直線へ‐。ここからなかなか差が詰まらない。結局、2頭に2馬身遅れでフィニッシュラインを越え、5F69秒1‐39秒2‐13秒7で駆け抜けた。

 「本当は並入の予定だったんだけどな」と苦笑した藤沢和師は、遅れた理由についてこう語る。「先週の金曜(11日)にマクドノーが初めて乗ったとき、ガーッと持って行かれたんだ。それできょうは余裕を持って追走したんだろう。まあ遅れは気にする必要はない。前走は太かった(プラス12キロ)けど、中間はしっかり乗っている。今度は大丈夫」と笑いながら好調をアピールした。

 初コンビの鞍上が何より評価した点も、精神面の安定ぶりだ。「リラックスした感じ。この雰囲気なら実戦でも集中力を発揮してくれるはず」とうなずいた。13日に中山でJRA初勝利を挙げたアイルランドの名手は、既にルルーシュのレースVTRを研究済み。「いい末脚を持っている。僕自身も残り3週でさらに勝ち星を伸ばしていきたい」と意気込みを語る。

 初のG1挑戦となった有馬記念では8着と辛酸をなめた。5歳を迎えた素質馬は、再び大舞台を目指してタイトルを積み上げていく。

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