【京成杯】フェイムV 鞍上ベリー安ど
「京成杯・G3」(21日、中山)
降雪の影響で1週延期された続行競馬の重賞は、未勝利を勝ったばかりの7番人気フェイムゲームが制する波乱の決着となった。鞍上のベリーはAJCCに続き、2日連続の重賞制覇。直線の斜行で後味の悪い勝利となった前日とは違い、すっきりと決めた。1番人気のフラムドグロワールは10着に敗退。2着に5番人気アクションスター、3着にケイアイチョウサンが入り、3連単は16万6910円の高配当となった。
“中山マイスター”の血筋はしっかりと受け継がれていた。半兄のバランスオブゲームが、現役時代に重賞4勝を挙げた得意の競馬場。フェイムゲームが、同じ芝2000メートルでの未勝利Vからの連勝で重賞初制覇を決めて、一躍、クラシック候補に名乗りを上げた。
ゲートは少し遅れたものの「スタートが遅いのは聞いていたが、少し遅れたくらいでいいポジションにつけられた」と、ベリーは慌てずに中団よりやや後ろで待機した。3角あたりで手を動かすシーンが見られたが、4角過ぎから進出を開始。直線に入って先に抜け出したケイアイチョウサンを残り約100メートルで捕らえると、外から伸びてきたアクションスターの追撃を首差しのぎ切った。
「ズブい面を見せたが、ムチを使ったら前に進んでくれた。本当にいい馬」と2日続けての重賞Vにベリーは喜びを爆発させた。ダノンバラードでJRA重賞初Vを決めた20日のAJCCでは直線で内側に斜行し、他馬の進路を妨害。着順は変わらなかったものの、自身は26日から開催日6日間の騎乗停止処分を受けた。後味が悪かっただけに「きのうは迷惑をかけてしまったが、きょうは正真正銘の勝利を飾ることができた。心から喜べるね」と安どの表情を浮かべた。
半兄も管理していた宗像師は「先行力があった兄とは違い、弟は末脚を生かすタイプ。でも中山が得意なのは似ているようだね。クラシックを目指すことになるだろうが、次走はこれから」と先を見据えた。重賞タイトルを7つ獲得した兄だが、G1は3着が最高。兄の思いも背負い、皐月賞(4月14日・中山)での頂点奪取を狙う。