【根岸S】ガンジス食らいついた
「根岸S・G3」(27日、東京)
勢いは止まらない‐。ギャラクシーSを快勝したガンジスが23日、栗東坂路で最終リハ。レースでもライバルとなるタイセイレジェンドと併せて、しまい重点に目いっぱい追われた。0秒4追走して、ゴール前はわずかに届かなかったが、動きや時計は合格点。陣営の思惑通り、着実にステップアップしている。次に見据えるフェブラリーS(2月17日・東京)へ向けて、重賞初Vを果たし、存在感を大きくアピールする。
500キロを超す巨漢馬2頭が、重戦車のように栗東坂路を駆け上がってくる。ともに鮮やかな栗毛をなびかせながら、“われ先に”と闘志はメラメラ。重賞初Vを目指すガンジスにとって、厩舎の先輩で交流G1馬のタイセイレジェンド(6歳オープン)は最高のスパーリングパートナーとなった。
レースでもハナをうかがうタイセイが先行し、好位差しが得意なガンジスは2馬身ほど後方から追走。ラスト1Fからは、ステッキが飛び交う追い比べとなった。実績馬VS上がり馬の対決は、持ち味のしぶとさを発揮したタイセイに軍配。だが、じわじわとG1馬に迫ったガンジスの走りも活気に満ちあふれていた。
わずかに届かなかったが、4F53秒6‐39秒1‐13秒3とタイムは上々。矢作師は「競馬の通りに併せた。タイセイがしぶとかったが、ガンジスも予定していた調教ができた。全体時計も予定通り。十分に合格点を与えられる」と納得顔。充実一途の4歳馬の姿に目を細めた。
4走前に準オープン快勝後、指揮官が発したコメントが印象的だ。「オープンまで来るのは当然。やっとスタートラインに立てた」。その強い勝ちっぷりに、当時初めて手綱を取った内田博も衝撃を受けたという。有言実行とばかりに快進撃を開始し、次戦のペルセウスSを圧勝。G3・武蔵野Sでも2着に善戦し、前走のギャラクシーSも着差以上に強い競馬を見せた。
だが、本格化を思わせる今でさえ、指揮官は「まだまだ成長過程」と満足はしていない。潜在能力はこんなものではない。次に見据えるフェブラリーSを“勝つ”ためにも、前哨戦のここでつまずくわけにはいかない。「(斤量の)55キロは裸だな。条件もいいし、次へ向けて内容も結果も求められる」。G1では武蔵野Sで後じんを拝したイジゲンが待っている。同じ勝負服のライバルにリベンジを果たすためにも、タイトル奪取は至上命題だ。