【シルクロードS】バレンチノ底力でV

 「シルクロードS・G3」(27日、京都)

 これがG1・3着馬の底力だ。ドリームバレンチノが重賞2勝目。4カ月ぶりでも、地力でライバルをねじ伏せ、高松宮記念(3月24日・中京)に向けて弾みをつけた。2着はダッシャーゴーゴー、3着はメイショウデイム。1番人気に支持されたアイラブリリは15着に敗れた。

 再びG1の舞台へ‐。粉雪舞う淀をドリームバレンチノが力強く駆け抜けた。

 「焦ったぁ。“詰まった”って。最後も負けたと思った」。松山は苦笑いでレースを振り返った。インの3番手で脚をためたが、直線は閉じ込められる形に。視界が開けたのは残り200メートル。持ち前の瞬発力で外から伸びる重賞3勝馬を鼻差ねじ伏せた。「いい位置につけられたし、前が開いてからしっかりと伸びた。強い競馬だった」。ホッとした表情で喜びをかみしめた。

 加用師は「力を付けているのが分かった」。昨年のこの時期はまだオープン未勝利。だがその後、素質を開花させ、昨秋のスプリンターズSでは3着と健闘した。さらなる飛躍を目指す2013年、初陣で重賞2勝目を挙げ「幸先のいいスタートを切れた」と満足げだ。

 松山とのコンビで全9勝をマーク。昨年のリーディング13位と伸び盛りの若手を起用し続ける指揮官は「馬とともに騎手も大きく成長していくのじゃないかな」と誇らしげにした。

 視線の先にあるのは高松宮記念だ。G1までのローテについて「間もあくし、太らせたくない。使ってもへこたれないから、阪急杯(2月24日・阪神)かな。それとも使わずに調整するか。じっくり考えます」と思案する。主戦は「次はもっと良くなる。上を目指したい」と意気盛ん。急成長を遂げる人馬がスプリント王を視界に入れた。

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