【根岸S】マシュウ豪脚差し切りV
「根岸S・G3」(27日、東京)
豪脚がさく裂した。5番人気のメイショウマシュウが、ゴール寸前で1番人気のガンジスを鼻差捕らえ、重賞初挑戦でタイトルをゲット。陣営はフェブラリーS(2月17日・東京)への参戦は未定としたが、ダート界に切れ味自慢の新たなチャンピオン候補が誕生した。ガンジスが2着。内を伸びてきた10番人気のセイクリムズンが3着に入り、3連単は10万3090円の高配当となった。
初挑戦となる重賞の舞台でも自分のスタイルを貫いた。メイショウマシュウが馬群を割って鋭伸。ゴール寸前で差し切りを決め、タイトルをもぎ取った。
道中は後方に待機し、4角でも後ろから2頭目で内々のポジション。前はズラリと壁だ。はるか前方では、1番人気のガンジスが先頭へ抜け出していた。坂を上がって、馬群の狭いすき間を突破。「届くかどうか分からなかったけど、夢中で追った」と振り返る初コンビの藤岡佑の叱咤(しった)に応え、難敵目がけて猛然と襲いかかった。
「“いい末脚を持っている”と聞いていたし、馬に任せてジッとしていた」。これまで11戦のうち9戦でメンバーNo.1の上がりを記録してきた切れ者は、今回も34秒6の最速上がりを発揮。「正直、いい手応えではなかったけど、ハミを取ってからよく伸びてくれました」と相棒の鮮やかな差し切り勝ちをたたえた。
沖師にとっては、02年京都大賞典(ナリタトップロード)以来のJRA重賞V。「東京で勝てたのもうれしいね」と笑みを浮かべる。当初はすばるS(2月2日・京都)を予定していたが、「除外の権利がないと(出走が)厳しそうだったので、今週も使う方向で強めの追い切りをかけていたんだ」と、目標を切り替えた末のVに目を細めた。
重賞ウイナーとなって堂々と大舞台へ。本番での1F延長に鞍上は「少し押っつけていたので印象としては問題ない。十分(G1挑戦の)資格のある馬ですよ」と太鼓判を押した。だが、指揮官は「体質的にはまだ未完成。バランスが良くなって、実が入ってくればもっと良くなる。(出否は)オーナーと相談してからだね」と参戦を保留。勢いに乗って頂点奪取を狙うのか、その選択が注目される。