【きさらぎ賞】魅せた!ベストプレイ
「きさらぎ賞・G3」(3日、京都)
未知の距離も何のその、6番人気のタマモベストプレイがしぶとい末脚を発揮して重賞初V。馬名のごとく“最上の走り”で、数多くの名馬が駆け抜けた出世レースを制した。和田、南井師の年男コンビも満面の笑み。気になる今後については、血統背景もあり陣営は明言を避けた。1番人気のリグヴェーダは最下位の8着に終わった。
こん身の右ステッキに応えた。タマモベストプレイは粘り込みを図るマズルファイヤーに直線で襲いかかる。馬体を併せて追い比べに持ち込むと、首差抜け出した。「前走(シンザン記念)で(ゲートを)出して行ったのが生きた。スタートも良く、楽に競馬ができたと思う」。重賞初制覇を成し遂げ、6月に36歳となる和田も今年初タイトルに笑みをこぼした。
初距離を克服したが、クラシック路線を歩むなら距離は延びる。全兄タマモホットプレイ、タマモナイスプレイ、全姉チャームポットなど、きょうだいの勝ち鞍は1800メートルまで。それでも鞍上は「きょうだいの中では一番距離が持ちそう。この馬でクラシックに行けたら」と胸を躍らせる。
和田と同じく巳年生まれで1月に60歳を迎えた南井師も破顔一笑だ。「ゆったりとした流れのなかで折り合いはついていた。上とはタイプが違うみたい。ひとまずは厩舎に置いて調整する。次走は考えて使いたい」。血統背景から今後のプランについて明言を避けたが、クラシック参戦が選択肢の1つとして加わったことは間違いない。距離の壁をぶち破りにいくか、それとも短距離&マイル戦のスペシャリストを目指していくか‐。陣営の判断に注目が集まる。