【共同通信杯】クロスボウ強豪串刺しだ
「共同通信杯・G3」(10日、東京)
広い府中で能力全開だ。スタートが鍵になるクロスボウだが、スローペースを差し切ったデビュー戦だけでなく、果敢にチャレンジした京成杯では速い流れに必死に食らいついて4着。潜在能力の高さはうかがえた。自慢の末脚が存分に生き、課題を補える舞台。陣営は期待を込めて送り出す。
東京コースに変わって本領発揮。直線一気の末脚が魅力のクロスボウが、一発を狙って虎視眈々(たんたん)だ。
陣営はデビュー前から“ゲート”を課題に上げていたが、デビュー戦ではその不安がモロに出てしまった。それでも鮮やかな末脚で能力の高さを見せつけた。しかも先行した3頭が2~4着に残る前有利の流れを、534キロの巨体を揺らして大外一気に差し切ったのだから価値がある。
続行競馬となった前走の京成杯でも出遅れ。それでも重賞の速い流れに戸惑いを見せながらも、最後までしっかりと末脚を伸ばして0秒2差の4着に追い上げた。異なる流れで、ともにメンバー最速の上がりをマーク。キャリア1戦を感じさせない上々の内容で学習能力の高さを印象付けた。
「スタートがうまくないね。それでも以前に比べれば良くはなっているんだけど」と大久保洋師も苦笑いするが、前走後の調整はここを目標に順調そのもの。中2週と間隔が詰まっていることから、速い時計こそ出していないものの、「レースを使ってきて、必要以上に気が入っていると言うこともないし、そのあたりは大丈夫」と伝える。
「今回もゲートが課題になるね。ただ、それだけに府中の方が合っていると思うし、跳びが大きいのでごちゃごちゃしない頭数も良さそうだ。そのあたりに期待したい」と指揮官は前を向く。府中の直線で、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか、魅力のある一頭だ。