【クイーンC】イリュミナンス勝負駆け
「デイリー杯クイーンC・G3」(9日、東京)
勝負駆けを実らせる。イリュミナンスは6日、栗東坂路を単走。雨で重くなった馬場をしっかりとした脚取りで駆け上がった。目標の桜花賞(4月7日・阪神)へ向かうためにも、賞金加算が至上命題。フェアリーS4着の雪辱を果たし本番へ突き進む。阪神JF4着以来のコレクターアイテムは併せ馬で遅れたが、調教で目立たないのはいつものこと。入念に乗り込まれて仕上がりは良好だ。
降りしきる雨のなか、イリュミナンスが反撃態勢を固めた。初コンビの福永を背に栗東坂路へ。テンはゆったりと入り徐々にペースアップ。ラストで軽く促されると、水分をたっぷり含んだ重たい馬場をしっかりとした脚取りで駆け上がった。
4F56秒7‐42秒1‐14秒2。もともと速い時計をマークするタイプではない。鞍上は「(ラスト)2Fだけサッとという指示。負荷をかけ過ぎないように。乗りやすくていい馬。馬格もある」と好印象を抱く。松永幹師も「そんなやらなくていい。順調に乗り込んでいる」と納得の表情で、仕上がりに不安はない。
前走は内で窮屈になるなどスムーズさを欠きながらも、時計差なしの4着。「最後はよく来ていた」と指揮官は振り返る。跳びが大きくてエンジンのかかりが若干遅いだけに、中山から東京コースに変わることは間違いなくプラスに働くはずだ。「(左右の)回りも気にするところはない。広いコースの方がいいと思うよ」。長距離輸送は前回で経験済みで、遠征競馬も心配はない。持ち味である力強い末脚を、今回は存分に発揮してくれそうだ。
福永もVを意識する。「新馬戦は強かった。あとは力関係」。阪神外回りのマイル戦で行われたデビュー戦では5馬身差の圧勝劇を演じた。前走はコースと展開が向かなかっただけ。秘めた能力は間違いなく高い。
春の大目標である桜花賞へ出走するためにも、賞金を加算する必要がある。「ここで結果を出さないと本番に行けないからね。それに、結果を出せないようでは」と松永幹師は期待を寄せる。タイトルを手に入れ、桜の有力候補に名乗りを上げる。