【クイーンC】菊沢師果たす平地重賞V
「デイリー杯クイーンC・G3」(9日、東京)
思い出のレースで調教師としての平地重賞初Vを飾る。ウキヨノカゼで参戦する菊沢隆徳調教師(42)=美浦=は、騎手時代の98年にエイダイクインで勝利を収めている。好相性の一戦で弾みをつけ、堂々と牝馬クラシックへ向かう構えだ。
15年の月日が流れても、思い出が色あせることはない。菊沢師は「ここを勝って、桜花賞(2番人気=6着)に行ったんだ」としみじみ語る。バリバリの現役騎手として活躍していた98年、エイダイクインでクイーンC制覇を成し遂げた。「でも桜花賞のレース中に骨折してしまって…。オークスには出られなかった」。当時経験した光と影は今なお脳裏に焼き付いている。
今年はトレーナーの立場で挑む。フェアリーS2着のウキヨノカゼは、樫の舞台を強く意識させる逸材だ。「追ってからの脚が良く、折り合いもつく。操縦性の高さがセールスポイント。ここの結果次第にはなるけど、桜花賞に直行して大目標のオークスへ向かいたい」とエイダイクインと同じローテを描く。
「母のアドマイヤダッシュは騎手時代に乗っていたんだ。子を牧場で見たときには“是非やらせてください”とお願いした。だから思い入れの深い馬なんだよね。出来も前走以上だから本当に楽しみなんだ」。大舞台に立つためにも、まずは調教師として初の平地重賞Vを‐。15年前と変わらぬさわやかな笑顔を府中で披露したい。