岡田9度目で春 福山競馬からJRAへ
JRAは7日、13年度騎手免許試験の新規合格者を発表した。そのなかには、2人の地方競馬の現役ジョッキーの名前も。地方競馬No.1の戸崎圭太騎手(32)=大井・香取和=と、3月いっぱいで廃止が決定している福山競馬の岡田祥嗣騎手(41)=福山・弓削和=がそれぞれ夢をつかんだ。3月1日付で、中央所属の騎手として晴れて“デビュー”する。なお、JRA競馬学校の騎手課程生徒は4人が合格した。
3月いっぱいで廃止が決まった福山競馬からJRAの騎手が誕生した。91年に福山でのデビューから7日現在で1966勝を挙げている岡田祥嗣騎手。9年連続で受験して、晴れて合格した。
昨年は初めて1次試験を突破したが、2次は不合格に。今回、ようやく念願がかなった41歳の“ルーキー”は「JRAのゴール板を1着で通過したい。まずは1勝」と表情を引き締めていた。過去に08年2月24日の京都で4レースに騎乗しているが中央では未勝利。高校の先輩でもある栗東の笹田厩舎に所属する。
趣味のゴルフをやめ、時間をつくって受験勉強に没頭した。心が折れそうになったこともあったが、友人でもあり園田から中央に移籍して活躍する岩田の姿が励みになった。地方競馬教養センターの騎手課程で、長期と短期で違いはあったが、同時期を過ごした“同期”。同じ舞台に立つことを夢見ていた。
1次と2次試験の間に、福山競馬の廃止が発表された。“古巣”は失っても、培った経験、魂は消えない。「そういう思いはあります」。合格が明らかになると、福山の関係者から電話、メールが殺到したという。いろいろな気持ちを胸に秘め、3月から第二の騎手人生を歩む。