【フェブラリーS】フォーチュン雪辱だ

 「フェブラリーS・G1」(17日、東京)

 衰え知らずの鬼脚でビッグタイトルをつかむ。シルクフォーチュンは11年南部杯が3着なら、昨年のフェブラリーSは2着。東京ダート8FのG1で2度、涙をのんでいる。五分の発馬を狙い、昨年とは違う臨戦過程で本番へ。自慢の末脚で悲願のゴール板を突き抜けるか。一方、ガルボを送り込む清水英師にとって、このG1は助手時代に2度、悔しさを味わった舞台。トレーナーに立場を変えて一発を狙う。

 リベンジを誓う。シルクフォーチュンは昨年の2着馬。勝ち馬と同じメンバー最速の上がり3F35秒7で伸びたが、2馬身及ばなかった。「テンションが高くて出遅れたし、岩田君(1着テスタマッタ)にうまく乗られた」と藤沢則師は悔しそうに振り返る。

 同じことをやっていても勝てない。発馬を五分に切るためには落ち着きが前提となる。同じ轍(てつ)を踏まないよう、今回は本番に向かうローテを変えることを選択した。根岸Sから挑んだ昨年とは違い、今年はカペラSをステップに挑む。「昨年は中2週で東京(と栗東)を2往復。馬にとってはきつかったみたい。カペラSからだと2カ月ほどだけど、大きく間隔があくわけではないから」。テンションに重きを置いてVを狙う。

 “王道”とも言える根岸Sをステップにしなければ、リスクが生じるのは理解している。「典ちゃん(横山典)が“爆発力がある”って言ってくれた。千四でどれだけの脚を使えるか計りたかっただろうけどね。でも、あれだけのジョッキーだし、カペラSでいい感触をつかんでくれているから」。テン乗りながら、重賞Vへと導いた一流ジョッキーの手腕に信頼を寄せる。

 木曜朝は厩舎周りを運動した。「イライラするところがなくて落ち着いているのがいい。東京のマイルは合うイメージがあるから」。準備は整った。7歳を迎えてさらにすごみを増した豪脚で混戦を断つ。

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