「阪急杯・Ｇ３」（２４日、阪神）

　高松宮記念（３月２４日・中京）の重要ステップは、今年も上質の顔触れで争われる。結果次第でドバイ遠征を見据える昨年の最優秀短距離馬ロードカナロアは、栗東坂路で２０日の一番時計タイとなる４Ｆ５２秒７。さすがの脚力を誇示し、今季初戦を好発進する。昨年の覇者マジンプロスパーも坂路で重厚感のある動き。体が絞れれば大きな変わり身がありそうだ。

　“世界”を制したスプリント王が、開門直後のまっさらの栗東坂路で、ポテンシャルの高さを見せつけた。ロードカナロアは最後まで持ったままで攻め駆けするダッシャーゴーゴー（６歳オープン）を圧倒し、４Ｆ５２秒７‐３８秒７‐１３秒２の一番時計をマーク。ここをステップにドバイ遠征か、それとも高松宮記念か。未来が決まる大事な一戦へ向け態勢は整った。

　「馬場が悪いのは分かってたんで１番に上がりました。それでも、気持ち悪いくらいノメって」と安田翔助手。ぬかるんだ馬場に脚を取られ、故障をさせたくない。その一方で「しっかり負荷をかけたい」という思いから、スパーリング相手に重賞３勝馬を選択。２Ｆを過ぎるまでは体を並べていたが、馬場を気にしたダッシャーが遅れ始め、最後は４馬身突き放した。「中身は出来上がってるので、これで十分です」と仕上がりに胸を張った。

　今回は、香港スプリントで日本調教馬として初めて世界の頂点に立った１２００メートル戦から、過去に１走して２着に敗れた１４００メートル戦になる。安田翔助手は「去年は、力のいる香港を意識して、我慢させる調教をしていたが、１４００メートルなので、ムキにならないように、リラックスして走らせてるんです」と対策は万全だ。

　主戦の岩田も「今度は受けて立つ身。１４００メートルでも、日本では負けられない」と言い切り、「香港で勝ってから、馬に自信がみなぎってて、馬体もパンパン」と充実ぶりに目を丸くする。今後は結果次第だが、勝って「ドバイゴールデンシャヒーン」（３月３０日・ＵＡＥメイダン、オールウェザー１２００メートル）へ。叩き台などという生半可は気持ちは感じられない。