【中山記念】ナイト鬼脚!柴田善4勝目
「中山記念・G2」(24日、中山)
“中山の鬼”が力強い末脚で勝利をもぎ取った。2番人気ナカヤマナイトがゴール前できっちり差し切り、昨年のオールカマーに続く重賞3勝目。柴田善は歴代最多タイとなるこのレース4勝目を飾った。2着は2番手で展開したダイワファルコンが確保、大逃げを打った8番人気シルポートが3着。1番人気タッチミーノットは追い込み届かず4着に敗れた。
どんな展開になろうとも、自分の“庭”では負けられない。シルポートが前半5F58秒6で飛ばし、後続との差を約15馬身まで広げる。4角入り口では10馬身。それでもナカヤマナイトの柴田善に焦りはなかった。「余力はあった。届いてくれる」。1完歩ごとに差を詰めると、ゴール前できっちり首差抜け出した。
道中の走りが成長を伝えてくる。大外8枠15番の影響もあり、外々の好位から展開。「馬の後ろに入りたかったけど、スタートを出たから。以前なら掛かっていた。うまく我慢ができたよ」と主戦は、折り合い面の進境を口にした。5歳を迎えて前向き過ぎる気性面が改善。道中で無駄なパワーを使わず、強烈なラストの末脚へとつなげた。
「本格化だね」と笑みを浮かべたのは二ノ宮師だ。始動戦に予定していたAJCCを脚部不安で回避し、再調整を余儀なくされた。中間はハードな攻めを敢行して、見事に仕上がった姿を披露。「きつかっただろうけど耐えてくれた。以前だったら歩様が硬くなっていた。これだけ調教をできなかったよ。うん、強くなった」と充実期を実感する。
これで中山は重賞2勝を含めて7戦4勝、2着2回。抜群の相性を改めて証明したことにより、唯一の着外に終わった有馬記念(7着)の敗因も明確となった。この日の内容に合格点を与えた柴田善も「距離にはちょっと微妙なところがあるね」と、中距離を超える舞台に難色を示している。
「次走はオーナーと話してから。春の目標は宝塚記念?それも分かりません」と路線については語らなかったトレーナー。今後の動向に注目が集まる。