【阪神大賞典】ゴールド輝き増した
「阪神大賞典・G2」(17日、阪神)
21世紀の芦毛の怪物が貫禄の走りを見せた。古馬となり、今年の始動戦を迎える昨年の最優秀3歳牡馬のゴールドシップが13日、栗東CWの併せ馬で豪快に3馬身先着。有馬記念V以来約3カ月ぶりの一戦となるが、仕上がりの良さをアピールした。皐月賞、菊花賞、有馬記念に続く4冠目を目指す天皇賞・春(4月28日・京都)に向け、伝統の重賞で好発進を狙う。
走りたい気持ちを抑え切れなかった。ゴールドシップは地下馬道から勢い良く栗東CWに飛び出すと、いきなり猛ダッシュ。レースの本馬場入場と同じく、やんちゃな一面をのぞかせた。なだめられてすぐに落ち着きを取り戻すと、タイセイモンスター(4歳1000万下)の3馬身半後方から最終追い切りがスタートした。
向正面では、馬場入り直後に見せた激しい一面がうそのように、じっくりと僚馬を追走。3コーナー手前から外を回りながら徐々にスピードを上げ、4角では早くも並びかけた。直線で右肩にムチが2発入ると、さらに1段ギアを上げて豪快な伸びを披露。6F79秒1‐37秒4‐12秒0で貫禄の3馬身先着を決めた。須貝師は「気が緩むところがあるので、しまいは気合をつけるように指示した。イメージ通りの仕上がり」と納得の表情を浮かべていた。
通常、最終追い切りは坂路で行うことが多いが、今回はコースを選択。約3カ月ぶりの臨戦過程を考慮したもので、師は「先週までにきっちり負荷をかけているし、今週は息をつくる調整をするため」と説明する。
古馬になって肉体はさらにパワーアップした。胸前は筋肉で盛り上がり、はち切れんばかりのボリューム。「有馬記念で今のような体へとつくり替えたが、それがようやく本物になってきたね」と自信を見せる。昨年は皐月賞、菊花賞のクラシック2冠に加え、古馬との初対決となった有馬記念を快勝。厳しい戦いで得た経験を自らの血肉に変え、一歩ずつ完成の域に近づきつつある。
4冠目を狙う天皇賞・春に向け、指揮官は「あくまでも今回は前哨戦だが、そうは言っても、ここも落とせない気持ちはある」と言い切る。勝って本番へ、そしてジェンティルドンナやオルフェーヴルとの“3強対決”の期待が集まる宝塚記念(6月23日・阪神)へ。21世紀の芦毛の怪物伝説第2章がここで幕を開ける。