「若葉Ｓ」（１６日、阪神）

　クラシック戦線に新星が現れた。レッドルーラーが鋭く伸びて、皐月賞（４月１４日・中山）の優先出走権をもぎ取った。４コーナーでは最後方だったが、ゴーサインに反応すると、直線は大外から一気に突き抜けた。「前半はなかなか進まなかったけど、いい脚でつかまえてくれました」と川田は満足げに話した。

　まさに“ケガの功名”だった。レース直前の装鞍所では歯が抜けて口が血だらけになるアクシデントがあった。「いつもはボーッとしている馬がそれで気合が乗ったのかもな」と松田博師は笑い飛ばす。出遅れ癖のある馬がうまく発馬を決めて、主戦も「返し馬から口を嫌がる感じ。イライラしていたけど、それでゲートを出たのかもしれない」と振り返った。

　夢の広がる１勝だ。「オーナーが皐月賞に行くって言えば行くし、ダービーだけでもいい。賞金を加算したのは大きい」とトレーナーが力を込めれば、川田も「トモの緩さや芯の入っていなさを考えると、もっと良くなる。今から成長していきますよ」と将来性を強調する。急上昇の良血馬が大舞台へと突き進む。