【阪神大賞典】ゴールド最高の船出
「阪神大賞典・G2」(17日、阪神)
格の違いを見せつけた。G1・3勝馬ゴールドシップが、単勝1・1倍の圧倒的1番人気に応えて快勝。古馬となってからの初陣を白星で飾り、次に見据える天皇賞・春(4月28日・京都)へ向けて好発進を決めた。国内制圧を果たし、真の王者を目指す13年。勢いをつけた“黄金の船”が王道を突き進む。2着は3番人気のデスペラード、3着には5番人気のフォゲッタブルが入り、人気サイドの決着となった。
順風満帆。やはり役者が違った。白く大きな帆を誇らしげに立てて、ゴールドシップが13年の船出を最高の形で決めた。着差は2馬身でも内容はまさに完勝。強く、そして余力を感じさせる王者の走りで、春の盾獲りを大きくアピールした。
いつものようにスタートはひと息だったが、慌てることなく、序盤は最後方を追走。「流れを見ながら上がって行きたかった」と振り返る内田博は、内回りコースで縦長となった展開を見極め、徐々にアクセルを踏んで進出を開始した。2周目3角で前を射程圏内に入れると、4角では左ステッキを1発放ってゴーサイン。一度、エンジンが点火してしまえば、G1・3勝馬の勢いに太刀打ちできる者はいなかった。
ラスト1Fは右ステッキに持ち替え、軽く4発放ってゴールへ。「久々でしたからね。きょうはゴールまでしっかりと追えたのが良かった。最後は馬自身が力を緩めるところがあったのでステッキを入れたけど、これが次につながると思う」。程よい緊張感を注入し、G1へ向けて人馬の信頼感をさらに深めた。
古馬となってから初めてのレースをV。須貝師は「変な緊張感がありましたね」と苦笑いを浮かべたが「でも内田君が馬のことをよく分かっているので」と圧倒的1番人気の重責を果たして安どの表情を浮かべた。マイナス4キロの馬体重には「有馬のときよりもふっくらして見えた。これが古馬の特徴と思ってもらっていい」と解説。きっちりと結果を出して、確かな成長を証明した。
目指すは真の王者。これからは古馬の王道を突き進む。主戦は「この馬が年度代表馬になれるように願っているし、それだけの器だと思っている」と高らかに頂点獲りを宣言。先に見据える宝塚記念(6月23日・阪神)では、まだ肌を合わせていないジェンティルドンナ、オルフェーヴルとの対戦が実現する可能性もある。決戦の時を前に、天皇賞馬の称号を手にして、堂々と“2強”を迎え撃つ。